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山帰り
歌舞伎舞踊「山帰り」とは
 歌舞伎舞踊の中には、江戸時代を元気に、しかも、たくましく生きた庶民の生活や風習を描いた作品が数多くあります。特に江戸っ子の夏の信仰を描いた作品に「大山参り」を題材とした、『山帰り』があります。
 大山の石尊社 [しゃくそんしゃ] へ参詣した鳶の者が、その帰りの道中、博打に負けたうえ、宿で買わされた安女郎にも劣った女たちについて、自分たちの間抜けぶりを、自嘲する、というのがあらすじです。
 清元の歌詞の中には帰りのお楽しみの様子が語られており、梵天 (ぼんてん) や、お土産にでも買ったのか、麦わら細工のラッパなどを持って登場しますが、「跡は野となれ山まいり」の歌詞からは、お盆の頃にやってくる借金取りから「大山参り」を理由に逃れようという、当時の鳶の生活と共に、たくましい江戸っ子気質を感じさせてくれます。
 お目当ての女に振られた間抜けなさまを自嘲的に踊った後、新内の「蘭蝶」のクドキ、手拭いの踊りとなり、そして庄内節を踊り、最後は再び旅を続けようとします、江戸の空気が一杯に横溢する踊りです。
文政六年 (1823) 八月、江戸森田座初演
作詞:二代目桜田治助 [さくらだじすけ]
作曲:初代清元斎兵衛 [きよもとさいべえ]
五変化『法花姿色々』[のりのはなすがたのいろいろ] のひとつ
本名題:『山帰強桔梗』[やまがえりまけぬききょう] 別に『大山参り』とも呼ばれる。
初演時、三代目坂東三津五郎が七代目森田勘弥五十回忌追善として踊った
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